はるさんの日記。

初心者です。

数学への分野転向の際に行った勉強のこと

最近周辺で、受験生時代の勉強方法についてまとめている人がちらほら見えて

どれもとても勉強になったので、私も釣られて書いてみようと思いました。

 

しかしながら生憎、他の皆さんの記事が素晴らしいので、
プラスαのバリューを出せそうなことは殆どなさそうだなと思いました。

 

何か他と違った視点で書けないかなーと思って思いついたのが

薬学から数学への転向の話です。

 

特に今夜は久しぶりに純粋数学の問題を自分で設定して解こうとしてもがいて、

転向した時の初心を思い出したので、

初心を更に思い出すために記録したいと思います。

 

まず簡単なまとめから。

 

仕事において、新しい分野の勉強をする際には

  • 難しすぎる教科書には手を出さない(適切なレベルから始める)
  • その道のエキスパートに基礎として何を学ぶべきか教えを請う
  • どのようにして仕事に活かすか、領域を慎重に選ぶ
  • 記録をつける
  • ともだちを作る!!!!

が重要なのではないかと思います、というお話しをします。

 

 

 

 

さて、私は修士まで薬学部→薬学系研究科におり、
その後博士課程から、応用数学に移りました。

(地味に幾何学でDC1も頂きました。

あまり貢献していないので言うのが恥ずかしいのですが。)

 

これに関して書けることは2つあると思っています。

 

1つ目は、大学数学ほぼ素人の状態から研究出来るようになるまでの勉強法

2つ目は、異分野への転向の際の学振の出願方法

 

後者に関してもかなりのボリュームになりそうなので、

今回は一旦1つ目に的を絞って書いてみます。

 

ちなみに、学振の出願方法アップしました:

haru-negami.hatenablog.com

 

 

まずはじめに、分野の転向を考えたのは修士1年生の時でしたが

それまでどんな背景であったか書いてみます。

 

大学には生物選択で入学したのと(今は昔・・・)、

進振りでいい点を取りたかったことから

当然ながら物理、数学は簡単な方のクラスを選択しました。

 

もちろん、ε-δ論法なんてやっていません。

やったかもしれないけど、覚えていません。

多変数解析で言うところの面積の意味が全くわからず

悔し涙を流したことだけは覚えています。。

 

 

自分にとって幸いだったのは、私がそこそこ苦学生だったことで、

常に家庭教師のアルバイトをしていたことでした。

大学に入学してから受験の数学を見直すと様々な発見があり、

生徒さんが問題を解いている時間に、ひたすら、

様々な問題を様々な捉え方で見なおすことができました。

 

元々高校時代は数学が大好きだったのですが

このような生活を続けていく中で、

研究室で実験をしていても、

 

『これを説明するいい数理モデルはないか?』

 

と常に考え始めるようになりました。

 

その後様々な出来事があって(この間長いけど)

 

『これだけ数学が好きなら転向しよう!

将来これで野垂れ死んでも、きっと幸せだろう!』

 

と思えたために、数学への転向を決意したのです。

 

実際この頃は一日中数学の問題を解いては

楽しい、楽しい、と言い続けていました。

 

 

とは言っても、この時大学数学は殆どやったことがなく、

まず線形代数から復習か・・・ナ・・・?という状態でした。

(生物選択だったし、薬学部だったしね・・・。)

 

教科書を開く→わからない→わからない→辛い

 

という日々が続きました。

この段階で1つ学んだことがあります。それは、

 

『難しすぎる教科書には手を出さない。』

 

ということです。

はじめ、

 

数学をやるには集合論が必要だ!

集合論の名著は松坂先生の教科書だ!

と聞いて、名著『

 

集合・位相入門

集合・位相入門

 

 

』に手を伸ばしたのですが、

(地味に差し込むアフィリエイト?このブログの仕組みまだわかっていません。)

全く意味が分からず。

 

問題集を解きながらなら分かるかもしれない!

→手は動くが意味が全くわからない

→涙が出そうになる

→諦めようかナ

→でももう元には戻れない!

 

ということで、この時私はプライドを捨てて

ハルでも分かる集合論、ならぬ、

とにかく簡単な、図表が充実した教科書を複数読んで、

感覚を掴んできました。

 

 

しかしこの頃焦りが生まれてきました。

 

『このままでは時間が足りない・・・』

 

 

 

そこで私は、ある二番目の作戦を立てました。

 

 

『そうだ、人に聞こう。』

 

 

数学科の友達を増やすことにしました。

とは言え周りに殆ど数学科の知人はおらず。

 

そこで登場したのが、かの有名な結城浩先生です。

私の、数学ガールに関するつぶやきが妙にエッジが利いていたためか

結城先生のツイッターに捕捉されRTされるやいなや、

1時間で100人くらい数学系のフォロワーが増えてしまいました。

 

(それまでにも数学系のつぶやきをしていたのもありますが。。。)

 

 

『恐ろしい。』

 

 

今なら、身元がバレるの恐ろしい・・・そう思うのですが、

しかしこの頃の私はまだ若く、怖いものもありませんでした。

そこで、いまだ!と思い、Twitterで数学の家庭教師の募集をすることにしました。

 

 

そのようにしてよい数学の先生に出会い、

代数学複素解析などなど、基礎的な部分を非常に効率よく教えていただきました。

 

この時最も役に立ったのは、

『何を学ぶべきか』以上に、『どのように数学書を読むべきか』でした。

 

最初斎藤毅先生の線形代数の教科書

 

線形代数の世界―抽象数学の入り口 (大学数学の入門)

線形代数の世界―抽象数学の入り口 (大学数学の入門)

 

 


を開いた時には1ページ目から、

 

『左辺と右辺のxの意味がそれぞれ異なる・・・。』

『これは一体どういうことやねん!!!!!』

 

と止まったものでした・・・。(はぁぁぁ。懐かしい。。。)

 

数学書は、書き手の教育的配慮がふんだんに詰まっていて、

行間こそが、学びの宝庫であると思います。

そのことを教えていただけたのが、最大の収穫でした。

それ以降、著者との対話のような心持ちで読んでいました。

 

少し脱線しますが、一番好きな教科書は小平先生の解析入門です。

軽装版 解析入門〈1〉

軽装版 解析入門〈1〉

 

 

高校時代解析がよくわからなくって苦手だったのですが

この本でε-δ論法を学んで、好きになりました。

 

あぁ。。。ありありと蘇る思い出。。。

(じーん。)

(じーん。)

 

 

 

さて、ここで、次の現実という壁にあたります。

 

 

『研究テーマどうしよう。』

 

 

そうなんです。数学に転向したいと言っても、重要なのは研究テーマ。

そこで、自分の学んだ薬学に対して応用できる数学を探そう、

という戦略を取ることに決めました。

 

様々な人とお会いしてお話しを聞く中でとても面白いと思える論文を発見し、

その論文を読むために何が必要か、と逆算しながら

勉強をするようになりました。

 

一度はその論文を元にして修論の研究テーマの提案を行い、

実際には修士の間には研究出来なかったものの、

それが学振の研究提案の元となりました。

 

 

その間にも、

修士の間に在籍していた研究室で出来て、

かつ数学的な要素を含んだ研究は出来ないか探し、提案し、

なんとか、工学部の先生にご協力を頂きながら研究をして、修士課程を終えました。
(しかし残念ながら特許の関係で論文にできず・・・。)

 

そして、無事分野の転向を果たすのでした。

その後の話は、今現在進行形なのでまた改めて書こうと思います。

 

 

 

ちなみにこの分野転向の時期は母の病気の看病で

常に徹夜でふらふらしていまして、

授業も半分寝ながら聞いているような感じ。

 

1日1日、

【なんでこんなにちょっとしか進まないんだろう・・・】

と辛く思ってばかりでした。

 

そこで思ったことは、

 

『そうだ、ブログを書こう』

 

でした。

しんどいときでも必ず何か書くと決めたことで、

ほんの僅かでも勉強する習慣がついたと思います。

 

たとえば、

コンパイラが変わると動かなくなるのはなぜかわかった』

とか、そんな程度のことでも。

 

1日1日出来ることは本当にわずかでしたが、

あとで振り返ってみると、

問題集はボロボロになるくらい使い込まれていて、

1日のほんのちょっとの積み重ねでも、

1年経つと大きいんだなぁ〜と感慨深く思います。

 

ε も積もれば無視できない・・・。

 

このような経験が、辛い時の自分を支えてくれる糧になると思います。

 

 

 

そしてこの時期は毎日毎日数学と向き合って、

飲み会でも全く空気を読まず、常に数学の問題を解いていて、

(というか周りを巻き込んで数学大会にして笑)

楽しい!楽しい!と言い続ける日々でした。

 

今思い返しても相当空気の読めない人でした・・・。

 

でも、敢えて、その道でプロになれるよう
人の目を気にしないようにしていた面もあります。

 

この時期にそばに居てくれた友人は、

本当に、本当にかけがえのない宝物です。

 

忙しくなってなかなか会えなくなってしまったりもするけれども、

本当〜〜〜〜〜に大事な宝物です。

 

 

 

今、時たま数学カフェという数学の勉強会を開いていますが、

やっぱりその時の素敵な思い出が根底にあり、

数学について語り合う仲間の姿を見て研鑽しよう!
という元気をもらえる場にしたいと思っています。

 

今は社会人になり、数学に殆ど触れられない生活になってしまいましたが

今日は久しぶりに昔の気持ちを思い出し、

とても懐かしい気持ちになるとともに、改めて、邁進しようと思うのでした。

 

 

長々と読んでくださりありがとうございました。

私もこうして書くことが出来、とてもよい振り返りになりました。